【家づくりコラム|住宅性能・断熱】現場で測った、エコボードの本当の実力
屋根が62℃になっても、室内は30℃台。現場で測った、エコボードの本当の実力
「断熱性能が高い家は夏も涼しい」──そう言葉で説明することはできます。しかし、それが本当かどうかを確かめるには、実際のデータが必要です。 2026年8月18日、工事中の現場で温熱測定を行いました。猛暑が続く中、屋根・外壁・室内それぞれの温度を時間ごとに計測したこの測定は、エコボードの蓄熱・遮熱性能を数字で証明する、非常に説得力のあるデータとなりました。 今回はその実測データを公開します。
>>「本当に涼しいのか」を、データで確かめたくなった
これまでのコラムで、木質繊維断熱材「エコボード」の特性についてお伝えしてきました。
・熱伝導率では他の断熱材に劣って見えるが、温度伝導率(熱の伝わるスピード)に優れている
・外壁が受けた熱が室内に届くまでに12時間以上かかる
・遮熱性能実験では、70℃の熱を10分間加えてもわずか+1.4℃の上昇にとどまった これらはいずれも理論値・実験値です。
では、実際に工事中の建物──エコボードが施工された現場──で測ると、どうなるのか。 「理論ではなく、現場の数字で語る」という姿勢で実施したのが、今回の温熱測定です。
>>測定概要|2026年8月18日・工事中の現場にて
【測定日時】2026年8月18日
【測定時刻】10:00 / 12:00 / 14:00 / 16:00(計4回)
【天候】10:00・12:00:晴れ 14:00・16:00:曇り
【測定箇所】
・屋外気温
・屋根表面温度
・1階外断熱(エコ断ウォール)表面温度
・1階充填断熱(ソフテック)室内側表面温度
・小屋裏温度
・小屋裏充填断熱温度
・1階室温
【実測データ一覧】
※なお、14時・16時に屋根表面温度が下がっているのは、天候が曇りに変わり日射が弱まった影響です。
>>発見① 外側が高温になっても、室内側まで熱が伝わりにくい
最も注目すべきデータが、12時の壁の温度差です。
・1階外断熱(エコ断ウォール)表面:42.3℃
・1階充填断熱(ソフテック)室内側:31.4℃
・1階室温:30.7℃
※外側の断熱材表面が42℃を超えているにもかかわらず、室内側の断熱材表面は31℃台。その差は約11℃です。
外側のエコ断ウォール表面と室内側のソフテック表面の温度差(グラフ②参照)は:
・10:00:9.1℃差
・12:00:10.9℃差
・14:00:10.9℃差
・16:00:3.2℃差(曇りにより外断熱の温度が下降)
※外側がどれだけ高温になっても、その熱が室内側へ伝わりにくい──これがエコボードの蓄熱・熱遅延性能を示す数字です。
※エコボードの特徴である高い蓄熱性能によって、外から受けた熱がすぐに室内側へ伝わりにくいことを説明する際に活用できるデータといえます。
前回のコラムで解説した「温度伝導率が低い=熱の伝わるスピードが遅い」という特性が、実際の建物の壁の中で機能していることが、このデータから読み取れます。
>>発見② 屋根が非常に高温でも、小屋裏と1階の温度差がほとんどない
次に注目すべきは、屋根と小屋裏・1階室温の関係です。
12:00(晴天・最も日射が強い時間帯)のデータ:
・屋根表面温度:62.1℃ ・小屋裏温度:31.2℃
・1階室温:30.7℃
・小屋裏と1階室温の差:わずか0.5℃
※屋根が62℃という極めて高温になっているにもかかわらず、小屋裏は31.2℃。そして1階との温度差はわずか0.5℃です。
一般的に、断熱性能が低い住宅では夏場の小屋裏が50〜60℃以上になることも珍しくなく、その熱が2階・1階へと影響します。しかしこのデータでは、屋根と小屋裏の間で熱が大幅にカットされ、小屋裏と1階はほぼ同じ温度帯に収まっています。
屋根断熱にエコボードを使用することで、夏の強烈な日射熱が小屋裏・室内へ伝わるのを大幅に抑えられることが、実測として示されました。
>>発見③ 外側が大きく変化しても、室内側の温度変化は小さい
10:00から16:00の時間変化を見ると、外側と内側で変化の幅が大きく異なります。
【外側の温度変化】
・屋外気温:35.9℃ → 33.8℃(変化幅:約2.1℃)
・屋根表面:59.0℃ → 47.8℃(変化幅:約11.2℃)
・外断熱表面:39.2℃ → 35.0℃(変化幅:約4.2℃)
【室内側の温度変化】
・1階室温:29.8℃ → 31.2℃(変化幅:約1.4℃)
・小屋裏:29.7℃ → 31.3℃(変化幅:約1.6℃)
・充填断熱室内側:30.1℃ → 31.8℃(変化幅:約1.7℃)
※外側では10℃以上の変化があった一方、室内側はいずれも1〜2℃程度の変化にとどまっています。
天候が晴れから曇りに変わり、日射量が大きく変化した条件下でも、室内側の温度は安定していました。これはエコボードが「外からの熱変化を吸収・緩衝する」という蓄熱機能を発揮していることを示しています。
>>実測が示すもの|「断熱性能が高い」とはどういうことか
今回の温熱測定で明らかになったのは、以下の3点です。
① 外断熱材(エコ断ウォール)が高温になっても、室内側への熱伝達が大幅に抑えられている
② 屋根が62℃という極めて高温になっても、小屋裏と1階室温はほぼ同じ温度帯を維持している
③ 外側の温度が大きく変動しても、室内側の温度は安定している
「断熱性能が高い」とは、単に「熱を通しにくい」ということではありません。外からの熱変化を受け止め、蓄えながら、室内への影響をゆっくりと小さくしていく──エコボードが持つこの特性が、実際の建物の中で機能していることを、今回の実測データは示しています。
UA値や熱伝導率といったカタログ数値だけでは見えてこない「実際の快適さ」が、ここにあります。ナチュライフホームズが目指す家づくりの姿勢──見えない部分にこそ本物の性能を──を、数字で表したデータです。
ナチュライフホームズの家の断熱性能・エコボードについて、詳しくはお気軽にご相談ください。
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