室温18℃以下は危ない⁉日本の住宅が寒くて多くの方が病気になりやすくなっていると言われています WHOは冬の室温は18℃以上にと勧告 WHOは冬の室温は18℃以上にと勧告しています。しかし今の日本の住宅の 9割が冬の室温18℃未満というのが現状なのです。では、16℃と18℃ではどのような違いが生まれるのでしょうか?…たった 2℃の違いで、要介護期間が平均3年も延びてしまうと言われています。※WHO 住宅と健康に関するガイドラインhttps://www.who.int/publications/i/item/9789241550376 寒い脱衣所やお風呂はキケン!急激な温度変化でヒートショックに ヒートショックとは、急激な温度の変化で血管が収縮し血圧の乱高下が起こり身体にダメージを受けることです。ヒートショックは、脱衣所での着替え・トイレや廊下に出た際など急激な温度差があるときに起きやすく、身体全体が露出する入浴時に最も多く発生しています。 暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることもめずらしくはありません。寒い脱衣室で服を脱ぐと、急激に身体表面全体の温度が10度程度下がるとともに血圧が上がり、その後お湯につかると血管が拡張し、急激に血圧が下がる…このような急激な温度変化による血圧の上下がヒートショックを引き起こすのです。 ヒートショックは交通事故の4倍!若者にも起こる⁉ 厚生労働省の研究班の調査では、年間およそ19,000人(注1)ものがヒートショックなど入浴に関する事故で死に至ったと推計され、その人数は、交通事故の死亡者数の4倍というデータが出ているそうです。さらにヒートショックに関しては高齢者だけのものではありません。なんと、若者も2割の方が亡くなっているのです。注1:厚生労働科学研究報告書 入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究( 平成25年度総括・分担研究報告書 研究代表者 堀 進悟)より 室温18℃を下回る家は脳卒中や心筋梗塞の割合が非常に高くなる 急激な温度変化による血圧の上下によりヒートショックが発生すると、脳卒中や心筋梗塞が起きやすくなり死に至ることもあります。急激な温度変化による影響を防ぐためには、住宅内の温度差を小さくすることがポイントです。WHOが冬の室温は18℃以上にと勧告しているのはこのためでもあるのです。 日本で凍死⁈熱中症と同じくらい危険な低体温症 低体温症による死亡(凍死)者は1,225人(厚生労働省「人口動態調査」2021 年)で、熱中症の 755 人(同)の1.5 倍以上。 熱中症の危険性は広く知られているが、毎年多くの人が命を落とす原因になっているのに、低体温症の深刻さはあまり知られていません。知識として押さえておいてほしいのが「冷え性」と「低体温症」の違いです。「冷え性」はただ手足や下半身が冷えて指先や足先が冷たさを感じることで、体温は下がりませんが、「低体温症」とは体の深部温度が 35 度以下に下がってしまう状態をいいます。 32~35 度で軽症、28~32 度で中等症、20~28 度は重症となります。 低体温症の主な症状は、激しい震え、筋肉の硬直、意識障害など。症状が進み、重症 となると呼吸や心臓に影響し、死に至る場合があります。 低体温症の7割が屋内で発症⁈ 「低体温症」や「凍死」と聞くと、雪山での遭難などを思い浮かべる人が多いかもし れませんが、実は屋内でも多く発生しています。福島県郡山地方広域消防組合の統計によると、2013 年から 2022 年までの 10 年間に低体温症で病院に搬送された人のうち、約 7 割が自宅などの屋内で発症していました。また、約 8 割が 65 歳以上の高齢者でした。さらに、約 8 割の人は搬送後に入院していて、発症した時はすでに深刻な状況になっていることが分かっています。 リスクがあるのは寒い地域だけではありません温暖な地域でも低体温症で亡くなるケースが… なぜ全国的に家で低体温症で亡くなるケースが相次いでいるのでしょうか。原因の1つに、日本の家が寒すぎることがあります。 実は…寒い地域ほど室内が温かい⁉ 在宅中のリビングの室温を調べると、北海道が最も暖かく、逆に最も寒いのは香川県という結果に…。さらに冬の死亡率がどれくらい増加するかを調べると、北海道が最も低く、栃木県が最も高いということが分かってきました。なぜでしょう?…それは寒い地域ほど家の断熱性能が高いためなのです。 とにかく重要なのは、WHOが勧告する「室温18度以上」を目指すこと。断熱性能の高い住宅はどの部屋にいても室内環境が一定なので、冬のヒートショックや低体温症を防ぎます。また、室内の温度差が小さいので体への負担や疾病へのリスクも小さくなります。 TOPページに戻る